【第5話】アプローチのダフりとトップが止まらない人が最初に覚えるべき『転がすアプローチ』

第5話 100切り物語
100切りを目指すシニアゴルファーとコーチのレッスンを描いた連載です。
最初から読む

ドライバーが曲がらなくなってきた田中さんは、次の課題に気付き始めました。

——グリーン周りで、必ず1打、2打と増えてしまう。

「田中さん、アプローチはどんなイメージですか」

「フワッと上げて、ピンそばに落とす感じで……。でも成功は2割くらいで」

残りの8割はダフりかトップ。
最初からミスが出やすい打ち方を選んでいたということです。

「田中さん、なぜ上げたいんですか」

少し考えて、彼は静かに言いました
「……かっこいいから、です」

誰だって、かっこよく寄せたい
プロのように、フワッと上げてピタッと止めたい
その気持ちはよくわかります。

ただ、その“憧れ”がスコアを崩していました。

アプローチは、うまさではなく、どれだけ簡単な打ち方を選べるかで変わります。

「田中さん、ひとつ覚えてください。アプローチは、上げるほど難しくなる。転がすほど簡単になるんですよ」

ボールを上げるには
・ロフトを開く
・入射角を浅くする
・クラブの底を地面に滑らせて、ボールをすくい上げようとする

この3つが必要になります。
どれも、少しのズレでミスにつながる動き

一方、転がす場合は
・ロフトを立てる
・入射角が安定する
・フェースが真っすぐ当たりやすい

ミスの幅が広く、成功率が自然に上がります。

田中さんは、ゆっくりとうなずきました。

「今日から、転がしてください」

「転がす……ですか」

「はい。転がせる場面は全部転がします。上げなきゃいけない場面なんて、コースで何回ありますか」
田中さんは少し考えました
「……ほとんど、ないですよね」

8番アイアン
エッジから5メートル、ピンまで15メートル
「パターの延長で、低く通してください」

田中さんは構えました
すくい上げる気配がない
ただ、静かにクラブを通しました
コロコロコロ……

ボールは素直に転がり、カップ手前50センチで止まりました

「……こんなに簡単なんですね」

驚きと、少しの解放感が混じった声

もう一球転がすと、今度は50センチオーバー

「もし、上げていたら」

「……ダフって、もう一回アプローチしていました」

1打が2打に、2打が3打に増える“ミスのしやすさ”が消えます

ただ転がすだけで、グリーン周りのストレスがなくなります。

転がせる場面は、転がす
パターの延長で、低く通す
ダフらない。トップしない
余分な1打が消えます。

かっこいい寄せより、確実な1打
シニアの100切りは、この“選び方”で変わります

あなたも心当たりはありませんか。
「アプローチ=ウェッジ」と思い込んでいませんか。アプローチは、難しい打ち方を選ぶか、簡単な打ち方を選ぶか。
それだけで成功率が変わります。転がせる場面は、転がす。
パターの延長で、低く通す。
ダフらない。トップしない。
余分な1打が消えます。かっこよさより、確実な1打。
シニアの100切りは、この“シンプルな選択”の積み重ねです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました